自己満足劇場


※画像大量表示注意


「うーっす…みくっ!?



長門、あれもハルヒの望んだことなのか?」
「私が回収してきた」
「!?」
情報統合思念体が多大な興味を示した」


「そ、そうか…所でそれは何だ」
「消失映画化記念」
「…え?」
「祝い酒」
「日記の主は全然嬉しくないらしいぞ」
「じゃあヤケ酒」
「…高校生の身空でそんなもの飲んじゃいけません」
「私は情報統合思念体によって作られた(ry」
「…それは置いといて、部室に持ち込むってのはどうなんだ?」
五臓六腑に沁み渡る」
「聞けよ」


「何だこれ」
「このボーカロイドのマニュアル」
「…動かせってのか?」
「そう」
「お前は、いいのか?」
「あなたがマスターになるべき」
「そうか」


「えーとここか?」
「えっち」
「んなとこ触ってねーよ!」


みっくみっくにしーてやんよー♪
「…」
「起動音」
「…気の抜ける第一声だな」


「システムオールグリーン。あなたが私のマスターか?」
「その台詞は色々とヤバいと思うぞ。…武士みたいな口調だな」
「私のメモリーに記録された個性だと思ってくれていい」
「あなたを起動したのは私ではなく彼。卑猥な手つきであなたを弄んでいた」
「こらそこ、嘘はいけません」
「ふふ…そうか、これから宜しく頼むぞマスター。ところで…」


「その…ネギは持ってないか?」
「いや、持って無いが。…トレードマークなのに持って無いのか?」
「ああ…付いていない。だが、出来れば欲しいな」※figmaミクには付属しています
「本当にネギが好きなんだな」
「ああ、愛でて良し食べて良しだぞ」
アメリカクロネズミに睨まれるなよ」
「?」
アメリカクロネズミというのは1927年ウォルト=ディz」
長門。頼むからそれ以上はストップだ。今日のお前何か変だぞ?」
「私は正常」
「……」
「ぼっくらっのくっらすっのr」
「お前は歌うなっ!つーか、分かってたのかっ!」

ガチャ



「こんにちは〜…あれ?」
「…これはこれは」





「なるほど。涼宮さんの意思の介在しない改変、ですか」
「古泉、お前はどう思う?」
「色々推察は出来ますが…最も単純かつ可能性の高い仮定としては、涼宮さん以上に強大な改変能力を持つ者が現れたということが挙げられるでしょうか」
「…それってヤバくないか?」
「ええ。ですが逆に言えばその存在がその気になっていれば、僕たちも今頃こうして部室でいつものように談笑してなどいられないということです。せいぜいが本物の初音ミク…彼女の出現による世界中を巻き込んだ一大センセーションが関の山でしょうね」
「…十分ヤバいじゃねぇか。人型のロボットだぞ。各国の工学研究機関が黙っていられるか?」
「ですから、そうそう惨事にまでは至らないんですよ。以前あなたがした仮面ライダーや変形するバイクに遭遇した…という話も、恐らくはそれに当たるでしょう」
「あれはハルヒが望んだことじゃないのか?」
「我々の機関の調べでは、そのような兆候は見られなかったようです。あなたにも、心当たりはなかったのでしょう?」
「ああ…まあな」
「ですから、その件も恐らくは件の存在の仕業かと。結局は大した騒動にはならなかったのでしょう?恐らくは…彼も…男女どちらかかはさて置いて、我々と同じく平和主義者だと推測されます。ちょっとしたいたずら心を秘めている…という語弊が要りますがね。涼宮さんに彼女を会わせてもさほど影響は無いかと思いますよ」
「そういうもんかねぇ…長門、お前の親玉は何て言ってるんだ?」
「連絡がとれない」
「…さっき情報ナンチャラが望んだこと〜とか言ってなかったか?」
「…別に」
「何だ今の間は。しかもちょっと嬉しそうじゃねーか」
「……」


「あ、ごめんなさい。初音さんのお茶も淹れて来ますね」
「いや、構わない。それより…朝比奈さんだったか。あなたはネギは持っていないか?」
「え?ねぎ?」
「持っていないか、そうか。済まない」
「帰りに買ってやるから我慢しなさい…あ、家族になんて言おう」





 その後部室にやって来たハルヒはミクを見るやいなや100万ワットの笑みで彼女をSOS団に歓迎した挙句、案の定こう言い出しやがった。

「ミクちゃん!みくるちゃんと一緒にアイドルコンビを結成するのよっ!大ブレイク間違いなしね!」

 これを発端に古泉のちっともありがたみの無い預言通りに世界中を巻き込んだ騒動に発展するのだが、これまた預言通りに俺達SOS団は栄えある6人目の団員と共に幾多の危機を乗り越えた。今も以前と同じく退屈ながらも(少々刺激は増えたが)平和な日常を送っている。どうせなら試練に打ち勝った報酬として少しくらい生活が楽になったり、頭が良くなったりしてもいいんじゃないのかってのは贅沢な考えなのかね。
 …それにしても今でも気になることがある。長門がミクを部室に連れ込んだあの日、ハルヒが来る直前に古泉はこんな預言も残しやがったのだ。


「ひょっとすると、『彼』はこれからも同じようなイレギュラーをご所望かも知れませんね。んっふ」
 
 ………
 良いか、金輪際俺達を巻き込むんじゃねぇぞ!絶対だからな!フリじゃねぇぞ!!

 やれやれ。

終幕